蛭子ミコト:ブログ版second

主に食品添加物や食品衛生のことについて書いていくブログ

安易に規制値を下げていいのか?(検査編)

今度の4月から、食品中の放射性物質の規制値が変更される予定です。
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=495110333&Mode=0
詳しくは、パブリックコメントのページの下にある”関連資料、その他の食品中の放射性物質に係る基準値の設定 ”を参照してください。

とりあえずそれを報道したニュースも。
http://news.mynavi.jp/news/2011/12/23/017/index.html

新規制値については、松永さんがFOODCOM.NETで批判しています。

新基準は容認できない! 放射線審議会は「コープふくしま」の声をどう聞いたか
http://www.foocom.net/column/editor/5489/

消費者の安心のための新基準値でよいのか?
http://www.foocom.net/column/editor/5500/

また、毎日新聞の小島さんは”現行の値「緩い」は誤解”ということを説明する記事を書かれています。

食品の放射能規制:新基準、海外より厳しく 現行の値「緩い」は誤解 改定後はより子供に配慮
http://mainichi.jp/life/food/news/20111219ddm013100039000c.html


私もこのお二方の考えに賛同です。


今回は、自称分析屋として…
安易に規制値を下げると、検査はどのようになってしまうかについて書いていこうと思います。
ここでは、一般食品の100Bq/kgについて考察します。



H23.12.2〜9、一部8月上旬現在の調査結果を含む検査機器の台数はこのようになっています。
http://www.mext.go.jp/component/b_menu/shingi/giji/__icsFiles/afieldfile/2012/01/13/1315036_4.pdf

Ge半導体検出器が216台、NaI検出器が227台です。
ここで、NaI検出器はスクリーニング検査用です。
食品中の放射性セシウムスクリーニング法
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001us4f-att/2r9852000001us94.pdf

ここで、暫定規制値の500Bq/kgでの場合での機器に求められる要件を抜き出しました。
測定下限値 50 Bq/kg 以下であること
スクリーニングレベル 規制値の1/2(=250) 以上

さて、ここで規制値が100Bq/kgになったらどうなるでしょう。
今までNaI検出器の測定の限界値である50が、いきなりスクリーニングレベルに跳ね上がります。
食品分析では、信頼出来る数値を出すために、規制値の1/10を測定限界とするケースが多いです。
新規制値だと…10Bq/kgになる可能性が高いと予想しています。


…正直言って、現在使用されているNaI検出器(正確にはNaI(Tl) シンチレーションスペクトロメータ)では、この数値をクリア出来る機種はそんなに無いと思います。
厚生労働省の結果見ると、NaI検出器での検査の定量下限はCs134+Cs137で40〜50Bq/kgがほとんど。)
(なお、このオーダーは、NaI(Tl)シンチレーションサーベイメータでは検査不可能な領域です)

測定時間を延長すれば可能かもしれませんが、1検体あたり1時間、いやそれ以上かかる計算になります。今までよりも検査数が減るのは確実です。
(おそらく現在より半減する)

東大の早野龍伍先生も気になるツイートしていたし…
”食品中の放射性物質の新基準,一般食品100Bq/kgに関し,厚労省はCODEXガイドラインを当てはめ,検出下限を基準値の1/10の10Bq/kg以下,定量下限を1/5の20Bq/kg以下にしようとしていると漏れ聞く.これを満たせない食品放射能検査器が多い現状を知ってのことか?”
https://twitter.com/#!/hayano/status/161464996793036801


2012.1.27追記
1/27に、スクリーニング法の改正の情報が出てきました。
食品中の放射性セシウムスクリーニング法の一部改正にかかる意見募集について
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000021b3t.html

測定下限値:25 Bq/kg(基準値の1/4)以下
スクリーニングレベル:基準値の1/2以上

先日書いた予想と異なり、下限値が25Bq/kgでした。
まだNaI検出器でも可能な数値に落ち着いたかのように見えます。

・・・ただし、現在NaI検出器で成績が出されているものの数値はCs134+Cs137で低くても40、ほとんどが50です。
Cs134単独で25、Cs137単独で25Bq/kg…
さて、これがどういう意味かというと…
スクリーニング検査を同様に行うのであれば、感度を倍にする必要があります。(Cs合計で25、単独では12.5)

現在使われているNaI検出器、ほとんどがサンプル量を増やして感度を稼ぐことができないため…
測定時間を4倍以上にする必要が出てきます。
(スクリーニング検査が10分なら40分、20分なら80分かかることになる)

参考:定量下限と測定時間・サンプル量の関係
http://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/data_reliance/pdf/rad_kensyu.pdf
(このPDFファイルの34番目に説明があります)

つまり…
現在の暫定規制値である500Bq/kgでは、現状の検査数が確保できますが…
新規制値(予定)である100Bq/kgになると
事実上Ge半導体検出器でしか検査できないことになります。
NaI検出器では時間がかかりすぎ&測定の二度手間になるため、所有している機関ではGe半導体検出器のみで検査するでしょうし、
NaI検出器だけ所有している機関では検査数が1/4以下になります。

さらに言えば、高分解能を誇るGe半導体検出器ですら、現在の測定時間(30〜1時間?)でギリギリセーフという状況です。


 NaI検出器を購入した機関は1年もしないうちに役立たずになってかわいそうという面もありますが…(^◇^;)

新規制値になると、検査できる機器の数が減り、検査総数が減ります。

検査数が減ると、汚染実態を把握し、それに対応することが難しくなります。

季節も巡り枯れ葉も散り、今後お米のように予想外の汚染が出る可能性もあります。
魚介類のように、調査がまだ足りないジャンルもあります。

検査台数が減ると、早野教授が最初に給食の調査で提唱し、朝日新聞社京都大学でも行ったような調査用途も検査に回され、
内部被曝の実態把握調査も困難になります。
実態調査の例
http://hes.med.kyoto-u.ac.jp/Fukushima/achievement.html
http://www.asahi.com/national/update/0118/TKY201201180799.html

新規制値になると、検査総数が減少するのは確実だというこの事実…どうお考えになりますか?


<個人的独白>
3月が来てようやく原発事故から1年。
緊急事態期は過ぎたと思いますが、たった1年で平常時レベルに戻すのは色んな意味で無理があると思います。
今年は事故収束後の復旧期にあたると思いますので、安易に規制値を下げる必要性はないと考えます。

復旧期などの考えは、こちらを参照のこと。
http://www.nirs.go.jp/data/image_icrp.gif
放射線医学総合研究所のHPより、放射線の目安(ICRP)」


(暫定規制値の500Bq/kgでもすでに十分な安全率でもあるし)
http://www.aist-riss.jp/main/modules/column/atsuo-kishimoto010.html

食用油のアフラトキシンは対策できる

牛乳に続いて、中国でのピーナッツ油からアフラトキシンが検出されたとの話がありました。

食品安全情報blog より
http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20120104#p6

調理用油からミルクに検出されたのと同じタイプの発がん物質が検出されたと火曜日に広東州政府が発表した。
新華社によると油はピーナッツから作られたものである。


同様のニュース
詳しい内容は会員にならないと読めない…


今回の件は、私も畝山先生の推察と同じで、検出されたのはアフラトキシンM1ではなく、
アフラトキシンB1だと思います。というか、それしか考えられません。
もっとも、B1の他にもB2、G1、G2の計4種類が検出された可能性も高いです。

前回書いたように、M1は牛の体内で代謝されたものですので、牛乳や乳製品以外で検出することはまずありえません。
http://d.hatena.ne.jp/ebi_j9/20111228/1325079202
(牛乳のM1もアフラトキシンB1も、アフラトキシンという括りでは同一グループなので、元文章は間違ってはいない)
(具体的な内容や濃度が書かれた元ニュースが欲しい…)

2012.1.7追記
別のところでも調査して、ピーナッツ油から検出されたそうです。ここではアフラトキシンB1を検出と明確に書かれてますね。

深セン市内の飲食店で使用されていた食用油をサンプル検査したところ、レストラン4店で、基準値を超える発がん性のカビ毒の
アフラトキシンB1が見つかった。うち2店舗では、基準値の4倍に達していた。南方日報が伝えた。
http://toanews.com/2009-02-07-09-36-35/7527-4.html

食品関係に詳しい人はご承知でしょうが、ピーナッツなどのナッツ類からアフラトキシンはしばしば検出されます。


普通の食品からアフラトキシンを除去することはまず不可能なのですが、
今回のピーナッツ油に関しては、アフラトキシンの対策をとることができます。

それは、油の製造工程における脱酸処理です。

(少し前の記事にもちょっとだけ書きました http://d.hatena.ne.jp/ebi_j9/20110626

食用油の製造工程には、原料油に含まれる不純物を除くために、脱酸工程、脱色工
程、脱臭工程などがあります。この脱酸工程で食品添加物アルカリ剤が使用され
ますが、これで大半のカビ毒が分解されます。さらに、その後の精製工程で分解し
、製品になるまでに完全に除去されます。
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shokuhin/kabi/kabidoqa.html

根拠となる元論文も一応紹介。
Parker, W. A. et all.:Absence of aflatoxin from refined vegetable oils, J. Amer. Oils Chem. Soc., 43, 635-638, 1996
http://www.springerlink.com/content/6wk14w4213144t74/
(Abstractは読めますが、全文は読めません)


脱酸処理を行うことによって若干風味は落ちるかもしれませんが、確実に安全になる処理なので、中国で取り入れてもらいたいです。
なお、脱酸処理を行わない場合でも、アフラトキシンに汚染されていないピーナッツを選別を行って製造するという方法も可能です。
(手間もコストもかかるのが難点)

食品からアフラトキシンを除去するのはほぼ不可能ですが…
食用油に関してだけはアフラトキシン除去が出来るので、これは積極的に製造現場へ取り入れてもらいたいです。

中国内で牛乳からアフラトキシンM1が検出されたことに関する考察

中国の牛乳から発がん物質検出、ネットで怒り爆発
中国の乳製品大手、蒙牛の牛乳から発がん物質が検出されたことが分かり、消費者らがインターネット上で食品業界への怒りを爆発させている。

検査は中国の監督当局が全国の乳製品を対象に実施。国営新華社通信によると、同社の牛乳から24日、肝がんを引き起こす恐れがある有害物質「アフラトキシン」が検出された。牛の餌が汚染されていたとみられる。
http://www.cnn.co.jp/world/30005074.html

CNNより、こちらのニュースの方がより詳しいです。

蒙牛の純牛乳から発がん性物質 問題製品は未出荷

質検総局が発表した検査報告書によると、蒙牛の製品に基準値を超える有害物質が含まれていることは、国家加工食品質量監督検験センター(福建省福州市)により確認された。検出されたアフラトキシンM1の実測値は1.2μg/kgで、国が規定する上限の0.5μg/kgを140%上回った。
http://j1.people.com.cn/94476/7688120.html


まず、アフラトキシンM1とはなにか?
アフラトキシン類は、Aspergillus flavus、A.parasiticus、A.nomius 等のカビが産生するかび毒(マイコトキシン)。
そのうち、アフラトキシンB1及びB2が動物体内で代謝されて、アフラトキシンM1となる。
発ガン性があることで知られており、アフラトキシンB1と比べると2〜10%。(それでも十分強い)

詳しくは、厚生労働省にある薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会乳肉水産食品部会の資料を参照してください。
http://mcaf.ee/tix16


簡単に流れ図にすると、

アフラトキシンB1に汚染された飼料
を牛が食べる

牛の体内で代謝され、アフラトキシンM1の形になる

乳中に排泄

牛乳中にアフラトキシンM1が検出される

※他のカビ毒と違い、牛乳がカビに汚染されて作られるわけではないです。


アフラトキシンM1が牛乳から規制値を超えて検出されたということは、中国の牛の飼料がアフラトキシンB1に汚染されていることを意味します。

アフラトキシンB1は家畜にも有害ですし、牛乳中のアフラトキシンM1も有害。
なので、中国政府は飼料のアフラトキシン調査を行い、出来るだけアフラトキシンに汚染された飼料が出回らないよう対策をする必要があります。

…というだけなら簡単ですが、実際はそう単純ではありません。
飼料を中国内で全て賄っているのなら、国内でアフラトキシンB1を産生するカビが増えないように具体的な対策をすることも出来るでしょう。

ただ、実際はどうも輸入が多いらしいです。

中国の食糧大量輸入、国際市場に重圧
http://www.epochtimes.jp/jp/2011/05/html/d89102.html

牛の飼料としては、トウモロコシが多いです。そして、トウモロコシはアメリカが大生産国です。
そして…アメリカ産のトウモロコシって…アフラトキシンの検出率は低くありません。
(輸入時検査等において食品衛生法違反となった事例に関する情報のページ。トウモロコシって意外とあります)
http://www.mhlw.go.jp/topics/yunyu/ihan/index.html

結局は、アメリカがアフラトキシン産生菌を防ぐ効率的な対策をしないと根本的な解決にはならないのです。
(自然を相手にするようなものなので、これまた簡単にはいきませんが)

とりあえず、中国が対策するとしたら、輸入飼料に対して規制値を設定して出来るだけ水際で押さえ、高濃度に汚染された飼料が出回らないようにすることでしょうね。

なお、日本では飼料に規制値が設定されています。(乳牛用では10ppb)
飼料の有害物質の指導基準の制定について
http://www.famic.go.jp/ffis/feed/tuti/63_2050.html


追記 三笠フーズ事故米事件のときに少し調べたのですが、
2008年の1月〜8月までのアフラトキシン違反事例(10ppb以上)を調べたときは、
・とうもろこし及びその加工品:35件
アフラトキシンB1濃度10〜61ppb、原産国:全部アメリカ)
・ピーナッツ、落花生及びその加工品:29件
アフラトキシンB1濃度10〜160ppb、原産国:中国16,アメリカ5、インド3、南アフリカ2、オーストラリア・アルゼンチン・ペルー各1)
ハトムギ:9件
アフラトキシン濃度12〜25ppb、原産国:タイ7、ベトナム2)
アーモンド:4件
アフラトキシンB1濃度12〜69ppb、原産国:アメリカ3、スペイン1)
乾燥イチジク:3件
アフラトキシンB1濃度10〜16ppb、原産国:イラン2、アメリカ1)
・カカオ豆:3件
アフラトキシンB1濃度13〜139ppb、原産国:ベネズエラ
ナツメグ:2件
アフラトキシン濃度13、490ppb、原産国:インドネシア
その他(チョコレート、ケツメイシ、ごま )

…でした。

あさイチ検証番組の検証

まず、このような検証をしてくれたことを素直に評価しよう。

あさイチ公式HP
http://www.nhk.or.jp/asaichi/2011/12/15/01.html

首都大学東京からも謝罪文でてました。
http://www.tmu.ac.jp/news/topics/4215.html?d=assets/files/download/news/NHK_asaiti111129.pdf

なぜ間違えたのか、その原因がわからないとなんだかんだでスッキリしませんし、間違った結果や憶測が一人歩きするのは問題ですからね。


さて、放送時間帯はAM8:15〜と、とてもリアルタイムでは見れないので、私は帰宅後録画しておいたのを視聴しました。

実際にみたのと、放送されて一週間経過して周りの意見というか情報がある程度そろってきたので、この検証番組を検証してみよう。
…というか、気がついたことを色々語ってみよう。

1.再分析したデータについて
・検出限界は、大体5Bq/kg前後であった。
これは主にU-8容器(容量:約100mL)を使用したため。
ネット上の一部には、より低濃度まで測定出来るマリネリ容器(約2L)の方がよかったのでは?という意見がみられたし、内部暴露量を推定するには感度不足な気もするけれど…
家庭で詰めてもらうためにあえてU-8を選択したのかな?
(家庭で、特殊な形していて値段も高いマリネリ容器に詰めてもらうってのは、さすがに現実的ではないですね)

・Ge半導体検出器は、色からするとたぶんキャンベラ社製。さすがに形式まではわかりません(フランスのメーカー。信頼度は高い)

・間違いの理由とされた説明は私の予想通り。Bi214の609keVをCs134の605keVの方と間違えていた。(ちなみにCs134には796keV のエネルギーもある)
https://twitter.com/#!/ebi_j9/status/139678894503632896
正直、スペクトルを見て、Cs134にあるもう一つのエネルギーがないとか、Cs137がないといった時点で機器の確認をしてもらいたかった。
…いや、それ以前の問題として、校正用線源使ってピークフィットと呼ばれる作業をあまりしていなかったと個人的には推測する。(ちゃんとした分析機関なら、毎日行う作業)
ただ、ピークの誤認識はこの理屈で説明つくけど、これだけでは食品中からBi214が検出された説明は付けにくい。
Bi(ビスマス)214は、ラドン由来の天然放射性核種なので、食品には通常存在しないもののはずなんだけどなぁ…。
宮城県HPより
http://www.miyagi-gc.gr.jp/html/QA/amegahuruto.htm

これは次のスペクトルの画面で理由がわかりました。


・スペクトル…なぜかNHKのアナウンサーはグラフと表現してましたが、スペクトルといいます。スペクトルそのものは専門用語でしょうが、普通のグラフとは意味合いが違うのですからスペクトルでそのまま押し切って欲しかった。
(グラフのような物という例えならまだ許したけど、グラフと言い換えちゃったからなぁ)

で、どアップで見せてくれました。おかげでちゃんとスペクトル見ることができました。
こっちが全体図。

で、これが本命のCs134とBi214が見える拡大図。

…これ、完全にノイズレベル
Ge半導体検出器については、一応講習は受けたけど使ったことない私ですら…
これからCsとかの放射性物質のスペクトルが読み取れるとの判断はしない。コンプトン散乱とかのピークに埋もれちゃってるよ、これ。
NDレベルといえる。

この画像、Ge半導体検出器のスペクトルの読み方がわかる人なら一目でわかるくらい…
ピークとは呼べないもの。
ピークと呼ぶのなら、せめてこのくらいの高さがないと…。
(適当に書き加えてみました)

これはσ(・_・)一人だけの解釈ではないです。
Twitter上で特に有名な早野先生いわく、「え?これヒ?ークなの?こ?冗談を」
https://twitter.com/#!/hayano/status/147311388111536128
野尻先生は「いやあの程度の値ピークだとかいって議論しないでほしい。ビスマスだってないよ。」
https://twitter.com/#!/Mihoko_Nojiri/status/147094850536341508

そう、先のCs134と間違えたとされたBi214ですら検出レベルではないのです。


2.修正後の数値の体への影響について
BqからSvへ変換して人体への影響はどうか、という点については、まあ妥当な解釈だったと思う。


そして、他の専門家の「もっと高機能の測定機器を…」ってのも気になった。
多少形式が古いとはいえ、Ge半導体検出器はγ線測定では最高の感度持っているので、新しい最新機種に買い換えてもそれほど検査効率UPはしないですよ。
これ以上検出限界値を下げるには…
・U-8容器使うならさらに長時間(24時間以上)測定する
・測定時間を長くしたくないなら、マリネリ容器に詰めて測定する。
どちらかしか選択肢はないです。(時間と容器に制約がなければ、マリネリ&長時間測定が分析的にはベストだが、現実的ではない)

3.「検出せず」とは&4.今回の検出限界値について
検出せずの言い方は、たしか9月付けの通知で表現方法は統一されたはずなんだけどなぁ。
と思って確認したら、やっぱり統一されていた。
事務連絡 平成23年9月29日 食品中の放射性物質の検査結果について
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001q51k-att/2r9852000001qjsv.pdf
「不検出または定量下限未満の値の際には、「<○(定量下限値)」を記載。
セシウム-134及びセシウム-137の合計で検査結果を出している場合は、その値をセシウム-134の欄に記載。」

ま、口頭での表現は統一されていないかもしれないが。
(検出せず・ND(Not Detected)・不検出 など)

このNDとか検出限界とかは、言葉だけでは表現しにくいので、後日別途エントリーを書きたいと思います。
(とりあえず付け加えると、ND=0ではありませんが、検出限界値ギリギリまであるかというと…そういうものでもありません。これは実際に測定したスペクトルみれば、統計誤差の関係でNDになったのか本当に0に近いレベルでNDになったのかがわかります。)

5.カリウム40のデータについて
K-40の説明は、本当に不思議だった。
”部屋のコンクリートカリウムが多く含まれていると考えられ、これがカリウム40の測定に影響を及ぼし、測定が難航しています。”としていますが…

コンクリの部屋で測定しているところなんていくらでもあるんだけどなぁ。
というか、検出器は鉛の壁で覆われているから、外部の影響ってほとんど受けないんだけど。
それで測定出来ないっていうのが理解できない。
一度、試薬のKClをU-8容器に入れて測定してみればいいのに。それで一発でわかるから。
画像:横軸の数値が読み取りにくいから断定は出来ないけど、たぶんこのピークがK-40じゃないのかなぁ?

首都大学東京の先生、Ge半導体検出器についてはあんまり詳しくないのかな…?
たまたま12/11にあった市民講座で福士政広教授の話聞いたけど、実効線量の説明とかLNT仮説の解説とかその辺の知識はたしかな人だと思ったのですけどねぇ…
健康食品管理士協会
http://www.ffcci.jp/
健康食品管理士会関東支部研修会のお知らせ(市民公開講座
http://www.ffcci.jp/information/info.php?seq=204

SPECTを応用したと思われるこんな画像スライドで紹介してくれたし。


(勝手な推測:本来はSPECTとかの医療現場での放射線画像診断を専門としている方らしく、Ge半導体検出器自体は使い慣れていないのかもしれない。または研究室の別の人がミスしたのを先生がかばっているとか?なんにせよ、測定ミスしたことは事実ですので、今後気をつけてもらいたいです。)


番組のこれ以降は、もう検証ではないので、今回の記事もこれで終わりにします。

この検証をを無理矢理1行でまとめるならば…
スペクトルの解析が色んな意味で間違っていた
ですかねぇ?

粉ミルク、事実関係を整理し計算をしてみよう

まずはプレスリリースから。

「明治ステップ(850g缶)」のお取り替えに関するお詫びとお知らせ
のたび、当社製品「明治ステップ(850g缶)」の一部の製品から、わずかながら放射性物質が検出されました。同物質の値は、食品衛生法に基づく乳児の飲用に関する暫定規制値(牛乳・乳製品で放射性セシウム134及び137の合計値200Bq/kg)以下で、22から31Bq/kgであり、毎日飲用されましても健康への影響はないレベルとされております。
しかしながら、当社としては、調製粉乳(粉ミルク)は乳児にとって極めて重要な栄養源であることから、乳児を持つお客様に安心してご愛用いただくことを最優先し、すでに対象製品をご購入のお客様で、お取り替えをご希望のお客様におかれましては、新たな製品と取り替えさせていただきます。

http://www.meiji.co.jp/notice/2011/detail/20111206.html

最大数値はCs134+Cs137の合計値で30.8Bq/kg。(Cs134が14.3Bq/kg、Cs137が16.5Bq/kg)

・きっかけ:NPO法人のTEAM二本松がNaI検出器で測定して検出され、その後明治乳業がGe半導体検出器で測定して今回のことがわかったようです。
http://team-nihonmatsu.r-cms.biz/


この件について、出来るだけ事実関係を整理してみようと思う。ついでに個人的なコメントもつけてみる。
・Cs汚染の原因は?
”噴霧乾燥する際に使った熱風に一部放射性物質が混入したとみられる。”
http://jp.reuters.com/article/jp_quake/idJPTYE7B503C20111206

個人的考察:乳製品を加工する工場で簡単に外気が入り込むとは考えにくいのですが…
原発事故後1〜2週間は、頻繁に出入りしていたら放射線物質測定装置のバックグラウンドが高くなったとの話を聞いているので、ちゃんとした設備を持っていても放射性物質コンタミネーションを防ぐのは困難なのかもしれない。ただし、確定とまでは行かない情報だと思うので、さらなる追跡調査をしてほしい。


・明治の粉ミルク「ステップ」とは
”満9ヶ月頃からの乳幼児期に合わせて、離乳食からではとりにくい鉄分やカルシウム、ビタミンなどの栄養素をバランスよく配合したフォローアップミルクです”
http://catalog-p.meiji.co.jp/products/baby_mother/milkpowder/040104/4902705100527.html?rnd=5f9c38b60a86921afc5119bfe2e6b6ad
個人的感想:つまり、メインで与えるミルクではない、ということですね。


・乳製品の暫定規制値は?:200Bq/kg
個人的感想:規制値以下である。明治乳業も「回収」ではなく「新たな製品と取り替え」という対応です。


・具体的にどのくらい摂取することになるのか?
これを飲んだ場合、どのくらい摂取することになるのか計算してみよう。

ミルクの作り方は、公式HPではイマイチわかりにくかったので、こちらを参考にした。
http://item.rakuten.co.jp/drugyutaka/4902705100527/

約28gを溶かして200mLにして、9−12ヶ月の時に最大目安量として700mL与えることになるらしい。

まずは粉ミルクの使う量。
200mLで28gだから、700mLでは3.5倍の98g。
98gg中に何ベクレルあるかというと…
元が30.8Bq/kgだから、30.8Bq/1000gなので…3.014Bqになる。

つまり、この今回の明治ステップを与えた場合、目安量を一番飲ませた場合で、一日に約3Bq摂取することになる。(細かく書けば、Cs134が1Bq、Cs137が2Bqになる)


・飲んだ乳幼児への影響は?
人体への影響はBqではわからないので、Svに単位を換算する必要があります。で、計算しようと思ったら、すでに食品安全委員会や日本産婦人科学会が計算していましたので、そちらを紹介します。

食品安全委員会
http://www.fsc.go.jp/sonota/emerg/cesium_powdered_milk.pdf

日本産婦人科学会
http://www.jsog.or.jp/news/html/announce_20111208.html

どちらも細かく計算されています。

とりあえずここでは、日本産婦人科学会の計算例を引用します。
”乳児の場合、1日に粉ミルク60gを消費すると仮定し、また汚染粉ミルクを4ヶ月間(120日)飲み続けたと仮定した場合、この粉ミルクからこの乳児が余分に受ける被曝量は以下のように計算されます(影響の大きいCs134が30Bq/kg含まれていたと仮定)。
mSv=30×60×120÷1,000×2.6÷100,000=0.0056
すなわち、5.6マイクロシーベルト(1ミリシーベルトは1,000マイクロシーベルトと同量)と計算されます。”
補足:なお、食品安全委員会は「食品による内部被ばくのみ」生涯の累積実効線量100mSvとしています。この数値と、5.6μSvを比較すると…とっても小さいです、はい。


・放射性ヨウ素131等、他の放射性物質もあるんじゃない?
個人的考察:理論的には0とは言えませんが、もはやGe半導体検出器でも見つけられないほどの量になるので、リスク要因として考えなくていいと思います。


・で、安全なの?危険なの?
日本産婦人科学会のコメントを抜粋。
”「通常の授乳期間、授乳を続けても、お子さんの健康に影響することはありません。」とお伝えすることが可能だと判断いたします。”

個人的感想:私もこれに同意です。




ちょっと解説・生物学的半減期
これは、放射性物質半減期とはちと異なり、摂取した放射性物質が元の半分に減少する期間です。新陳代謝で外部に出ていくというイメージをして頂ければと。

先ほどの食品安全委員会の資料見てもらえばわかりますが、

0〜 1歳: 9日
 〜 9歳:38日
 〜30歳:70日
 〜50歳:90日

と、年齢が低いほど放射性物質の排出が早いことがわかります。



おまけ:今回の件で役に立つと思うページのURLを紹介していきます。

明治の粉ミルク「ステップ」からセシウム、40万缶無償交換について
http://togetter.com/li/224240
同じように色々計算している方のTwitterでのまとめです。

乳児・幼児の被曝量の計算(趣味:科学)
http://flatfisher.blog68.fc2.com/blog-entry-398.html
こちらも計算しています。乳児と成人の換算係数の違いに気がつくのはさすが。

明治ステップから放射性セシウムが検出された件についての原田英男さんの解説
http://togetter.com/li/224077
経緯が詳しく書かれています。私が書いた内容に加えてこれを読めばさらに状況が把握できるかと。

乳児用粉ミルクは安全(食品安全情報blog)
http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20111207#p1
香港の食品安全センター勤務の博士のコメント紹介。

「検出」と「危険」じゃ意味が違う(粉ミルクの話) (アカチバラチの日記)
http://d.hatena.ne.jp/akatibarati/20111206/1323192061
詳しくは読んでもらうとして…頑張って計算したのが虚しくなるような内容が書かれてます。

食品中の放射性セシウムスクリーニング法

7月に、厚生労働省からの事務連絡で”牛肉中の放射性セシウムスクリーニング法”について連絡がありました。

牛肉中の放射性セシウムスクリーニング法の送付について
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001krg9-att/2r9852000001krme.pdf

(7月に、この件について記事書きました。牛肉中の放射性セシウムスクリーニング法の送付について思ったこと http://d.hatena.ne.jp/ebi_j9/20110731 )


今日になって、これらの更新情報があったことに気がついたので(^◇^;)
自分用のメモの意味も兼ねて、概略を書いていきたいと思います。

事務連絡 平成23年9月7日 牛肉中の放射性セシウムスクリーニング法の一部改正について
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001p1mi-att/2r9852000001p1sb.pdf

内容は「新旧対照表」。7月に出されたものと比べると…
・統計計算や検査手順をより細かく解説している
ゲルマニウム半導体を用いたガンマ線スペクトロメトリー、いわゆるGe半導体検出器もスクリーニングとして使える
この2つが大きな違いだと思います。
…Ge半導体検出器をスクリーニングに使ってるところはさすがにないと思う。(これがあるなら、普通に測定するでしょ)


事務連絡 平成23年9月7日 牛肉中の放射性セシウムスクリーニング法のQ&Aについて
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001p1mi-att/2r9852000001p1to.pdf
上記の事務連絡「牛肉中の放射性セシウムスクリーニング法の一部改正について」のQ&Aです。

私が思ったこの事務連絡のポイントは、A1−2のリンク先にある日本アイソトープ協会ホームページの紹介です。

食品中の放射性セシウムスクリーニング法に対応可能な機種(NaI(Tl)シンチレーション検出器)の情報について
http://www.jrias.or.jp/index.cfm/6,16065,110,html
(2011/10/27 23:24時点では接続困難。また、今後URLが変更されるかもしれません)
このHPから、NaI検出器のリストを見ることができます。正直、予想以上に種類ありました。


事務連絡 平成23年9月7日 牛肉中の放射性セシウムスクリーニング法の考え方について
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001p1mi-att/2r9852000001p1r9.pdf
・スクリーニングレベルの統計的な解説
・規制値(現在は500 Bq/kg)の1/2 以上をスクリーニングレベルの要件とした。
【10月29日追記】


事務連絡 平成23年10月4日 食品中の放射性セシウムスクリーニング法について
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001ql0l-att/2r9852000001ql29.pdf

対象食品に”玄米、精米及び麦類”が加わりました。
また、牛肉と異なり、サンプリングについても注意点が記載されています。
「ロットを代表する試料を採取するためにランダムサンプリングを行い,採取した試料はよく混合して均一化する。」

ということで、これからは牛肉だけでなく、「食品中の放射性セシウムスクリーニング法」となりました。


ただし、このスクリーニング検査は、検査して公的に成績が出せる食品は「牛肉・玄米・精米・麦類」だけです。
(10/4時点、他の資料を見逃していなければ(^◇^;))

他の食品をNaI検出器で測定して数値出しても、参考値となることはご承知置きください。
厚生労働省が出している食品中の放射性物質の検査結果には検査法(Ge/NaI)の欄がありますが、NaIで成績出しているのは牛肉ばかりで、他の食品はGeでの測定になっています)


平成23年11月12日(土)追記

事務連絡 平成23年11月10日 食品中の放射性セシウムスクリーニング法の一部改正について
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001us4f-att/2r9852000001us94.pdf

対象食品
が飲料水、乳及び乳製品を除く食品全般に変更されました。

事務連絡 平成23年11月10日 食品中の放射性セシウムスクリーニング法のQ&Aについて
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001us4f-att/2r9852000001usfz.pdf

このQ&Aに、さりげなく重要なことが書かれていたりするのですが。
・牛肉を含む鳥獣肉については、以前より示している「[食品に残留する農薬、食品添加物又は動物用医薬品の成分である物質の試験法](平成17年1月24日付け食安発第0124001号厚生労働省医薬食品局食品安全部長通知)第1章総則4.試料採取(5)筋肉の場合に準じて採集する」に基づき実施する

牛肉に限らず、お肉は筋肉部位を採取して検査することが確定しました。

また、前回のQ&Aにも書かれていましたが、これも重要です。
A3−1より抜粋:134Cs及び137Csそれぞれの核種を分離して測定することが可能であり、それぞれの測定下限値を足して50Bq/kgを満たす必要があります。

つまり、現時点では…
134Cs及び137Csの比率がほぼ同じであることから、134Csで25、137Csでも25Bq/kgを測定出来るレベルの測定装置でないとスクリーニング検査が出来ないということです。
(NaI検出器でも、20〜30分くらいの時間かけて測定しないと、この数値を満たすのは実質無理だと思う。Ge半導体検出器持ってるところなら最初からこっちの方が楽かもしれない)


11月10日に厚生労働省から新たな連絡があったので、追記しました。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001us4f.html

pH調整剤が変わる!?

今日、職場で購入している専門雑誌(日添協会報)10月号を読みました。

ざっと流し読みしていたら、添加物的にとっても気になる文言がありましたので、慌てて調べました。
(もしこの雑誌を読める環境にある方は、雑誌の相談コーナーQ&Aおよび官報記事を読んでください)

食品衛生法第19条第1項の規定に基づく表示の基準に関する内閣府
内閣府令第45号、平成23年8月31日)
http://www.city.fukuyama.hiroshima.jp/data/fd_21pfkvofo26d58/downfile2036944690.pdf
(官報をスキャンしたと思われるPDFファイル、読みにくい)

リンク先消えました。まあ、スキャンした物を載せるのはよくないでしょうからね。
(官報ってWeb上で検索しても1ヶ月以内のしか検索できないんだよなぁ。不便でしょうがない)

原文を読みたい方は、官報を読むか、日添協会報10月号を読んでください(^◇^;)


関連して、消費者庁からはこのような通知が。
食品衛生法第19条第1項の規定に基づく表示の基準に関する内閣府令等の施行について
http://www.caa.go.jp/foods/pdf/syokuhin700.pdf

これは平成23年9月1日にすでに施行されています。


・・・で、食品添加物的に何が驚いたかというと・・・


食品衛生法第19条第1項の規定に基づく表示の基準に関する内閣府令に係る訂正について
(事務連絡 平成23年9月1日)
http://www.caa.go.jp/foods/pdf/syokuhin701.pdf

訂正自体はまあいいのです。
問題は、このPDFファイルの2ページ目、別表第5(第11条関係)のところです。
なお、別表第5は、一括名に関する表になっています。



水素イオン濃度調整剤!?
・・・添加物に詳しい私でも、初めて聞いた用途名です。

これ、一言でいえば・・・
今までのpH調整剤が新しい用途名・一括名に変わったのです。


(改正後全文)
食品衛生法に基づく添加物の表示等について(平成22年10月20日消食表第377号)
最終改正 平成23年8月31日消食表第378号

各一括名の定義及びその添加物の範囲

13 水素イオン濃度調整剤
(1) 定義 食品を適切なpH領域に保つ目的で使用される添加物及びその製剤。ただし,中華麺類にかんすいの目的で使用される場合を除く。
(2) 一括名 水素イオン濃度調整剤又はpH調整剤
(3) 添加物の範囲 以下の添加物を水素イオン濃度調整剤としての目的で使用する場合。

http://www.caa.go.jp/foods/pdf/syokuhin524.pdf


先ほどあげた訂正についてのPDFファイルにも、このように書かれています。

「水素イオン濃度調整剤」として使用した添加物については、従来どおり「pH調整剤」の一括名で
表示することが可能です。

http://www.caa.go.jp/foods/pdf/syokuhin701.pdf



5月に用途名について書きましたが http://d.hatena.ne.jp/ebi_j9/20110507
まさか1年もしないうちに修正することになるとは思わなかった(^◇^;)



・・・しかし・・・
一括名がpH調整剤から、水素イオン調整剤に変更された経緯は全く知らないのですが・・・何故!?
何故このような言い換えをする必要があったの?
表示上は、従来通りpH調整剤でもOKなのですから・・・意味不明。
表示する側だって、今まで使ってきていて、文字数が短い方であるpH調整剤を用いるでしょうに。