次亜塩素酸水について3 ~市販品は当てにならない~
その1、その2と次亜塩素酸水についての情報を整理してきたので、
一部報道で言われている次亜塩素酸水が新型コロナウイルスの対策に使えるかどうか…
結論から先に書きます。
次亜塩素酸水
一般に購入できるのは
使わないで
まず、容器で売られている製品。
次亜塩素酸水の大前提として生成装置から流水で使用するものなので…
容器で売られているような物は、有効塩素は消失している可能性がとても高いです。
そもそも容器に詰めた製品に効果あるなら、食品添加物から指定外れることもなかったですからね。
なお、その1,2には書いてないけど関係あるものにも言及しておきます。
次亜塩素酸ナトリウムと塩酸やクエン酸等を混ぜて調製した製品もあります。いわゆる塩素ガスの”混ぜるな危険”に近い形ですが、次亜塩素酸水とほぼ同様の状態にはなります。
しかしこれは、平成16年(2004年)の厚生労働省通知で「販売は認められない」と明記されています。
【食安基発第0825001号】 https://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/10/dl/s1028-8f.pdf
なので、この製品も同様に当てにならないです。
では加湿器のようにミスト・霧状にするのは?
いくつかの製品紹介とか見る限り食塩を電解しているので、ほぼ強酸性次亜塩素酸水と推測されます。(弱酸性も可能性としてはありえますが)
で、繰り返しになりますが生成装置から流水で使用する次亜塩素酸水、霧状にして…
・液体&流水で使用して効果あるものを霧状にして、効果あると思いますか?
ミストとして出る直前には効果あっても、室内に出たらとても薄まるのでまず意味ないです。
・万が一効果がある程度あったとしたら…口内や気管支、最悪肺までミストがたどり着くことになり、粘膜にダメージある程度与えますので、使用は控えた方がいいことになります。食品添加物的に言えば濃度100ppm以上の濃度となり規格違反にもなります。
・そもそも生成装置の使用上の注意で『塩素ガス&水素ガス』が出るので換気を…となっているので、ある意味そっちの方が危ないかもしれない。
・次亜塩素酸水のうち強酸性次亜塩素酸水だと、ある程度レベルの塩酸酸性溶液(pH2.7以下)でもあるので、水ですすがないと塩酸によるダメージが別にありそうです。
・製造装置からではなく、別途水を汲んでミストを出すタイプは大本の次亜塩素酸水に有効塩素残ってないと考えられ、論外。
…というわけで、ミスト状にするのも効果ないです。
では最後に製造装置から直接容器に受けて使用するのは?
…これも正直効果は薄いです。有効塩素が短時間に消失することがあるので、容器に移して持ち運ぶ間に失活して効果なくなってる可能性がとても高いです。(同じ建物内でキレイな容器にいれてすぐ使うくらいならまあ効果あるかもですが)
というわけで、次亜塩素酸水とは?というのを整理しながら書いてきて、新型コロナウイルスにはどうなの?一部報道で言われている効果は?ところを説明したつもりです。
…本当に効果あるなら、ニュースでよく見る専門のお医者さんたちが迷わず使用しますからね。そんな話がないということは…ね。
普通にものの消毒は、使っていい物質ならハイター等の次亜塩素酸ナトリウム溶液を適宜希釈して使用してください。
では最後に。
厚生労働省、次亜塩素酸を含む消毒液の噴霧については、すでに新型コロナウイルス感染症への対応関係の通知の中で、こう書いてあります。
次亜塩素酸を含む消毒薬の噴霧については、吸引すると有害であり、効果が不確実であることから行わないこと。
https://www.mhlw.go.jp/content/000605425.pdf
2020年4月6日追記
ツイッターで教えてもらった情報ですが、上記の次亜塩素酸とは、次亜塩素酸ナトリウム溶液のことだったとのことで、みえ消しにいたします。
「社会福祉施設等における感染拡大防止のための留意点について(令和2年3月6日付事務連絡)」に関するQ&Aについて
https://www.mhlw.go.jp/content/000608916.pdf
ただ、ここにはこんな文章も。
「次亜塩素酸水を用いた市販の製品等の安全性等に言及するものではない。また、消毒については、本事務連絡では清拭することとしていることに留意すること。」