次亜塩素酸水について1 ~食品添加物公定書による定義~
新型コロナウイルスに対する消毒に、次亜塩素酸水が効果あるとかなんとか言われています。報道によっては、酸性電解水とも言われてます。
さて、ではこれが効果あるかどうか!?
…の前に、そもそも次亜塩素酸水とはなんぞや?というところを押さえたいと思います。
次亜塩素酸水という表記をされるようになったのは食品添加物に指定されてからです。そこで、食品添加物公定書に記載されている次亜塩素酸水について整理しながら抜き出していきます。
・次亜塩素酸水とは?
定義(抜粋、要約)
塩酸又は塩化ナトリウム水溶液を電解することにより得られる、次亜塩素酸を主成分とする水溶液である。本品には、強酸性次亜塩素酸水、弱酸性次亜塩素酸水及び微酸性次亜塩素酸水がある。
第9版食品添加物公定書 D成分規格・保存基準各条
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000192868.pdf 634,635ページから
現時点で次亜塩素酸水は三種類あります。有効塩素の量については種類によって定義が若干異なりますが、全部ひっくるめると有効塩素10~80mg/kgの範囲で含んでます。
製造方法も書いてあるので、そこを整理して書いてみます。
強酸性次亜塩素酸水:0.2%以下の塩化ナトリウム水溶液を有隔膜電解槽内で電解して、陽極側から得られる水溶液。pH2.7以下。
弱酸性次亜塩素酸水:適切な濃度の塩化ナトリウム水溶液を有隔膜電解槽内で電解して、陽極側から得られる水溶液又は陽極側から得られる水溶液に陰極側から得られる水溶液を加えたものpH2.7-5.0。
微酸性次亜塩素酸水:適切な濃度の塩酸又は適切な濃度の塩酸に塩化ナトリウム水溶液を加えて適切な濃度に調整した水溶液を無隔膜電解槽内で電解して得られる水溶液。pH5.0-6.5。
大まかに言うと、
強酸性・弱酸性:塩化ナトリウム(要するに食塩)を電解して製造し、
微酸性:塩酸を電解して製造しているってことになります。
シンプルにいうなら、次亜塩素酸水とは
・食塩または塩酸を電解してつくる水溶液
・有効塩素濃度は数十mg/kg
・pHは酸性領域
定義としては三種類ありますが、概ねこのようなものだといえます。
ここまでは、食品添加物の次亜塩素酸水の成分規格のお話です。実際にどのように使われているかとかの情報は、公定書に書かれてませんので、普通ならネットで検索して色々資料を探すところですが…
これがやっかいでして、ネット上から適切な情報源を探し出すのは非常に困難です。
なので、専門書の食品添加物公定書解説書から情報を探すことにしました。解説に品質とか使用法とか毒性とかが書かれており、信頼できる情報源です。
次回は、第8版食品添加物公定書解説書の解説部分に、次亜塩素酸水がどう書かれているかをある程度かみ砕いて説明したいと思います。
…はい、今回の記事はまだ序章です。まずは、次亜塩素酸水の定義の確認をしたというところです。