蛭子ミコト:ブログ版second

主に食品添加物や食品衛生のことについて書いていくブログ

検出された数値をシーベルトに換算してみた

早速、食品中の放射線の検査結果が報道されました。

福島県産及び茨城県産食品から食品衛生法上の暫定規制値を超過した放射能が検出された件について

福島県の原乳、及び茨城県のほうれん草から暫定基準値を超える測定結果が出ました。
(原乳の最大値:1510 Bq/kg、ほうれん草の最大値:15020 Bq/kg)

実際に摂取したとか、今後はどうなるかについては、下記のTogetterによくまとめられているので、ご参照ください。
TVとかの報道ではどうしても危険だ!という論調に流れやすいので、東大病院放射線治療チームの情報はチェックしたほうがいいです。

東大病院放射線治療チームによる「内部被ばくと福島の"牛乳問題”の解説」

今回の分析結果は、測定単位がBq/kgであるため、人に対する影響を見るにはチト具合が悪いです。

食品安全委員会の資料によれば、
東北地方太平洋沖地震の原子力発電所への影響と食品の安全性について

ベクレル(Bq) :単位時間内に原子核が崩壊する数
シーベルト(Sv):人間が放射線を浴びたときの影響度を表す単位

つまり、ベクレルの数値のままでは、人への影響度は考察できないのです。

なので、食品安全委員会の資料にある換算係数を使って、今回の数値をシーベルト(Sv)に換算してみました。

換算係数(実効線量係数)は、
ヨウ素131の場合では 2.2×10^−5
普通に数値で書けば 0.00022

ですので、今回のケースの最大値で計算してみると・・・

 原 乳  :0.03322(mSv)
ほうれん草:0.33044(mSv)

となります。

そして、実際に食べる(飲む量)も考えなくてはなりません。
ベクレルの単位はBq/kg。
つまり、1kgを食べたときの数値なのです。

原乳もほうれん草も、普通の食事をしていて1kg食べたり飲んだりことはまずありません。


原乳のデータはないので、牛乳で代用します。
牛乳摂取量は、このページによれば、1日あたり約100g。
1kgの十分の一。係数は0.1。

ほうれん草の摂取量は・・・なんかうまくネットの検索で見つけられない(^◇^;)
ここは茨城新聞社のツイートを信用して、1日あたり15gとします。
15g÷1000gで、係数は0.015。

これに、先ほど求めたシーベルトの値に掛けてみます。

 原 乳  :0.03322(mSv)×  0.1=0.003322mSv


ほうれん草:0.33044(mSv)×0.015=0.004975mSv

(正しい摂取量データがわかる方は、各自計算してみてください。また、もっと飲むぞ食べるぞ!という方は係数を各自変更して計算してみてください)

実際の摂取量は、こんな感じになると思われます。
(ただし、放射線の摂取に関する計算がこういう方法でいいのかは少々自信がありません(^◇^;)間違いがありましたら、ご指摘おねがいします。)

この計算した数値と、東北地方太平洋沖地震に伴い発生した原子力発電所被害に関する放射能分野の基礎知識放射線医学総合研究所)にある参考図を比べると・・・

あとは、各自考えてみて下さい。

2011.3.20追記

Twitter上では、こういう計算も出ていたので参考までに載せておきます。

201103201


上記のTwitterのリンク先ですが、今回の暫定基準値は、ここから来ているようです。

防WG第5−4号
「原子力施設等の防災対策について」(防災指針)改訂案

2011.3.20追記2

分析に関しては、こちらも参照したほうがよさそうです。

緊急時におけるガンマ線スペクトル解析法